北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2024年03月04日
(479)閲覧ゾーンで関連作品特集 「推し活」にもいろいろ

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第479回
『西日本新聞』北九州版 2024年3月2日(日)朝刊 18面掲載
閲覧ゾーンで関連作品特集
推し活」にもいろいろ

 「推し活」とは、自分にとってイチオシのアイドルやキャラクターをさまざまな形で応援することをいいます。今回は、推し活が描かれている作品を紹介します。

 『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ/徳間書店)は、岡山県で活動する地下アイドルグループ「ChamJam(ちゃむじゃむ)」と、彼女たちを応援する熱狂的なファンとの交流を描いたコメディー。

 グループ人気最下位の舞菜に全力をささげる主人公・えりぴよは、その熱狂ぶりから周囲に「伝説のオタク」と呼ばれるほど。えりぴよが繰り出すセリフは、誰かを推したことがある人には、共感できることも多く、「気持ちを伝えること」の大切さを教えてくれます。ファン目線だけでなく、アイドル目線での悩みなどが描かれているのも特徴的で、推す側、推される側の思いが詰まった一作です。

 『裸一貫!つづ井さん』(つづ井/KADOKAWA)は、アグレッシブなオタクである作者・つづ井さんとその周囲の友人たちとのゆかいな日常をつづったエッセー漫画です。

 つづ井さんの推しは、年齢すらもわからない舞台俳優です。初めはあまりの情報のなさに苦労していたつづ井さんでしたが、「余白は想像で補えばいい」というポジティブさで、推し活を堪能していきます。その想像の斜め上をいくような発想は、ぜひ参考にしたいところ。推しがいることで何気ない日常が潤うことがとてもよくわかる作品です。

 北九州市漫画ミュージアムの閲覧ゾーンでは、「推し活」に関する作品を特集コーナーにて紹介しています。推し方もそれぞれ違いますので、推し活の参考にどうぞご覧ください!

(図書担当 原田佳織)