北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2024年05月16日
(489)松苗あけみ原画展、来月15日から 作家のサイン会も開催

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第489回
『西日本新聞』北九州版 2024年5月12日(日)朝刊 22面掲載

松苗あけみ原画展、来月15日から
作家のサイン会も開催

 雑誌や単行本など紙媒体のマンガは、日本においては薄利多売の大量印刷が基本で、紙質や印刷方法などコスト的な限界から、マンガ家が描いた生原稿の描線や色彩を完全には再現できない部分があります。もちろん、マンガ家も印刷会社もプロですから、完成品は十分以上に魅力的な仕上がりになっているのですが、展覧会などで「原画」をみると、はるかに鮮烈かつ繊細で度肝を抜かれることもしばしば。

 北九州市漫画ミュージアムでは来月15日から、マンガ家・松苗あけみ先生の原画展を開催します。松苗先生は、女子高生たちの等身大の日常をコミカルに描いた代表作「純情クレイジーフルーツ」(1982年、85~88年ほか)などで知られ、80年代の少女マンガを代表する作家の一人。カラーイラストの美しさでも高く評価されています。

 集英社の月刊少女マンガ誌『ぶ~け』では、89年から91年にかけて表紙イラストを担当。文字通り「雑誌の顔」を務め、華やかで深みのある色彩の美で読者を魅了しました。表紙に引かれてファンになった方も多いことでしょう。

 今回の展示は、特集書籍『総特集 松苗あけみ』と単行本未収録作品集『桜の如き君を愛す』(いずれも河出書房新社)の出版を記念して昨年東京・吉祥寺で開催された原画展の巡回開催です。まばゆく輝く美しいカラーイラストを中心に、貴重な肉筆原画53点をじっくりとご覧いただきます。

 会場限定のオリジナルグッズも販売するほか、来月30日には作家サイン会も開催。参加申し込みは今月27日までです。どうかお見逃しなく!

(学芸担当係長 表智之)

=メモ=
「松苗あけみ原画展」は6月15日(土)から7月15日(月祝)まで、北九州市漫画ミュージアム常設展フロアにて開催(毎週火曜休館)。6月30日(日)の作家サイン会には事前申し込みが必要で、5月27日締め切り。申し込み方法は漫画ミュージアムホームページにて。