北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2024年08月14日
(499)コンテストの作品募集中 4コマ漫画から始めよう

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第499回
『西日本新聞』北九州版 2024年7月21日(日)朝刊 20面掲載
コンテストの作品募集中
4コマ漫画から始めよう

 一言で「漫画」といっても、風刺や笑いをテーマに1コマからごく少ないコマ数で成立するものがあれば、たくさんのページを使って起伏のある長い物語を描くものもあり、その表現方法は実にさまざまです。今、みなさんが漫画と聞いて想像するのは、多くは後者の「ストーリー漫画」と呼ばれるジャンルかもしれません。

 そのような中で、4コマ漫画とはどのような存在なのか。まず、日本に4コマでひとつの物語を描く形が定着したのは約100年前、大正時代の頃で、当時欧米からもたらされた先行作品が影響を与えたといわれています。たった4コマで物語を完結させるために、1コマずつに「起承転結」を当てはめるのが基本とされ、社会のこと、家庭や日常のことなどがユーモアたっぷりに描かれてきました。

 起承転結はストーリー作りの基本ともいいます。かの石ノ森章太郎先生は、著書「少年のためのマンガ家入門」(1965年、秋田書店)で、4コマのパターンは長編にも応用でき、それが「作劇法の重要なテクニック」であると語っています。絵とお話をシンプルに組み合わせて、短いながらも起承転結を意識して面白い作品を作ることは、漫画家としての基礎力を身につける良い訓練になるといえるでしょう。

 北九州市漫画ミュージアムでは、現在4コマ漫画のコンテスト「第9回北九州国際漫画大賞」の作品を募集しています。また館内では、昨年度の12歳以下部門の受賞作品展を開催しています。石ノ森の言葉を借りるなら「さあ、あなたも4コママンガから始めましょう!!」。

(学芸員 石井茜)

=MEMO=
「第9回北九州国際漫画大賞」の詳細と応募はこちら
「めざせ!北九州国際漫画大賞ジュニア部門受賞作品展」は9月1日(日)まで「あしたのギャラリー」で開催中