北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2024年12月05日
(518)人気の仏作家、北九州でトークイベント ライブで作画を披露

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第518回
『西日本新聞』北九州版 2024年12月1(日)朝刊 16面掲載
人気の仏作家、北九州でトークイベント
ライブで作画を披露

 先月10日、北九州市漫画ミュージアムでフランスの作家ルノー・ルメール先生をお招きしたトーク&ライブドローイングイベントを開催しました。

 フランスやベルギーでは「バンド・デシネ」というヨーロッパ漫画のスタイルが主流ですが、ルメール先生は新潮流である「日本漫画スタイル」での作品制作に挑戦している作家です。王道少年漫画の流れをくんだ代表作『ドリームランド』は現在22巻、80万部を超える大ヒット。同作は日本でも翻訳出版されています。

 イベントでは日本漫画との出合いや思い出をはじめ、作品制作の方法などをお話しいただきました。中でも物語の組み立て方のお話が印象的で、キャラクターの行動理由などを深く掘り下げ、描きたい場面から逆算してエピソードを組み立てているとのこと。「キャラクターが勝手に動き出す」といった、どこか感覚的に創作するイメージが漫画にはありますが、そうではなく、かなりロジカルにストーリーが練られていることに驚かされました。

 ライブドローイングは普段からファンと交流しながらイラストを描いているという先生の計らいで、作画中に会場から質問を募りリアルタイムに答えてもらえるというぜいたくな時間に。

 何より驚いたのはその筆の速さ。生き生きとした勢いのある線でどんどんキャラクターが描かれていき、あっという間に10枚の色紙が完成! 当館に展示するもの以外を急きょ参加者にプレゼントしていただくサプライズもありました。

 当館にいただいたサイン色紙は早速、企画展示室横の展示ケースに飾っておりますので、当日見逃した方もぜひご覧くださいね!

(図書担当 田中千尋)

=LINK=

ルノー・ルメール著『ドリームランド』(日本語訳・1巻)試し読み