2024年12月09日
(517)「ダンジョン飯」の立体展示も 九井諒子さんの世界堪能
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第517回
『西日本新聞』北九州版 2024年11月24(日)朝刊 16面掲載
「ダンジョン飯」の立体展示も
九井諒子さんの世界堪能
北九州市漫画ミュージアムでは、今月30日から「九井諒子展&『ダンジョン飯』迷宮探索展」を開催します。「ダンジョン飯」といえば、今年アニメ化され、国内外問わず人気を獲得した大ヒットファンタジーですが、本展ではその魅力と、原作者である漫画家・九井諒子先生の創作世界に迫ります。
2011年、それまでに個人ウェブサイトや同人誌で発表した短編をまとめた「竜の学校は山の上 九井諒子作品集」を刊行し、プロデビューした九井先生。続いて出版された短編集「ひきだしにテラリウム」では、第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しました。寓話的なファンタジーからSF(すこし不思議な)日常漫画まで、それぞれの内容に合わせて絵のタッチを変え、豊かな発想力とユーモアで巧みに物語る作風は大いに話題を呼び、14年からは「ダンジョン飯」の連載をスタートさせます。
タイトルから分かる通り、本作は魔物が跋扈するダンジョンにおいて「食べる」ことが重要なテーマになっています。そして時には「食べられる」ことも…。グルメ漫画的楽しみ方もできれば、バトルや謎解きにワクワクしたり、盛りだくさんなコメディーシーンに笑ったり、多様な読み・楽しみ方ができる一大エンターテインメントです。
「九井諒子展」では、九井先生のこれまでの作品を一望するほか、作家性に迫るインタビュー、未公開の複製原画などを展示。「『ダンジョン飯』迷宮探索展」では、アニメ「ダンジョン飯」の世界を多彩な立体展示物で体感いただきます。ぜひご来場ください。
(学芸員・石井茜)
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