2020年11月16日
(324)漫画家たちの直筆色紙展 手塚治虫キャラを描く
★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第324回
『西日本新聞』北九州版 2020年10月29日(木)朝刊 19面掲載
漫画家たちの直筆色紙展
手塚治虫キャラを描く
戦後日本の漫画界をリードし、多くの後進クリエイターに影響を与えた漫画家・手塚治虫。その生誕90周年を記念して、手塚を敬愛する漫画家たちが手塚キャラクターを描いた色紙展が、2018年に東京で開催されました。その後、宝塚や石巻・新潟で開催され好評を博し、来月25日まで北九州市漫画ミュージアムで開催中です。
ちばてつや・里中満智子・わたなべまさこ・弘兼憲史といった大ベテランや、岩崎陽子・竹宮惠子・文月今日子・冬木るりかといった北九州・福岡ゆかりの作家など、総勢なんと93作家。「鉄腕アトム」や「ブラック・ジャック」「リボンの騎士」が目立ちますが、「ユニコ」も可愛らしいですし、「火の鳥」も美しい。「バンパイヤ」「新宝島」なんて渋いセレクトも。手塚はこんなにもたくさんの人気作品を生み出したのかと、あらためて感嘆しきりです。
北九州会場ならではの追加作家は、黒田征太郎(北九州市在住)と、うえやまとち(福津市在住)のお二方です。うえやまさんは「ブラック・ジャック」のピノコを、手塚先生との思い出と共に描き、黒田さんは「鉄腕アトム」を、あっと驚くユニークな手法で描いています。ぜひ実際に見て確かめてください。
また会場では、展示色紙を缶バッジにして販売。売り上げの一部を「令和2年7月豪雨災害」復興支援の義援金として寄付するチャリティー企画です。1個550円でランダムに販売し、選ぶことはできませんが、いずれも傑作ぞろいですので、復興支援にぜひお買い求めください。
(専門研究員・表智之)
=LINKS=