2022年09月29日
(398)ボランティア活動×ギャグ漫画 「いんさぽ!」をPR
★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第398回
『西日本新聞』北九州版 2022年7月10日(日)朝刊 16面掲載
ボランティア活動×ギャグ漫画
「いんさぽ!」をPR
通勤・通学や散歩中、道路脇に植えられた季節の花々や、澄んで整えられた川の流れを目にし、ホッと一息つくことがありませんか?その綺麗な景観の影には、「とある人々」の存在と尽力があるかもしれません。
公園や道路、河川といった市民生活を支えるインフラについて、美化し、整備する市民ボランティアを、北九州市では「インフラサポーター=いんさぽ!」と呼んでいます。また市は、彼らの活動を清掃用具の支給や助成金などで支援し、市民と行政が一緒になって美化活動に取り組める仕組みを作っています。
冒頭に挙げたような美しい街づくりに一役も二役も買っている「いんさぽ!」ですが、参加者の高齢化が進み、新規参加団体も伸び悩んでいるのが現状。それを打開すべく、特に若い世代に向けて取り組みを発信しようと今年2月に発行されたのが、漫画を使ったPRパンフレット「いんさぽ!大学生がボランティアに触れてみた件」です。
作者は先月のコラムでもご紹介した北九州市在住の漫画家・三崎てるひこさん。自主映画を撮影する大学生サークルが活動の中でサポーターたちに出会う…という筋立てですが、そこは一筋縄ではいかない三崎さんらしく、予想のつかない怒涛のギャグが繰り広げられます。PRにありがちな、予定調和的展開とは大きく異なる物語を面白がって読んでいるうちに、自然と「いんさぽ!」の存在が強く印象づけられる構成が実に巧みです。
本作とPR動画は北九州市のWEBサイトで公開中です。「いんさぽ」で検索してみてくださいね!
(学芸員 石井茜)