2022年08月04日
(401)ラクトいちご『しろすけとフクゾウ』 痛快な猫の世界 魅力
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第401回
『西日本新聞』北九州版 2022年7月31日(日)朝刊 14面掲載
ラクトいちご『しろすけとフクゾウ』
痛快な猫の世界 魅力
今回は、気鋭の北九州ゆかり作家・ラクトいちご先生による初の単行本作品をご紹介します。
猫漫画雑誌『ねことも』(大都社/秋水社)で、2016年から連載され、先ごろ単行本化された『しろすけとフクゾウ これが漢猫(おとこ)の生きる道編』(大都社/秋水社)は、動物だけが暮らす世界を舞台に、白猫のしろすけと謎の覆面黒猫のフクゾウのコンビが繰り広げるギャグ漫画。1話7~8ページ、全て4コマで構成されており、テンポよく読める作品です。
ラクトいちご先生は福岡県出身、北九州市を中心に活動する漫画・イラストサークル「アズ漫画研究会」に所属されています。北九州青年会議所が16年に発行した『北九州魅力本』では、黒猫の九太郎が、北九州市民の温かさや地域文化に触れる『九太郎の冒険(原案/西小倉・南小倉小学校のみなさん)』の漫画を担当。また19年に北九州市の若手漫画家が韓国・釜山市を取材して漫画を描いた「北九州・釜山作家交流事業」では、異文化交流で親睦を深める『赤鬼と青鬼』を繊細なタッチで描かれています。
先生ご自身が猫だけでなく、オカルトも大好きとのことで、作品の中には、UMA(未確認生物)が描かれることも。今回はフクゾウの友人としてツチノコが登場し、一攫千金を狙ってスピリチュアルに目覚めるしろすけも一緒に描かれています。
何といってもこの作品の魅力は、パワーあふれるハイテンションなギャグ!欲にまみれたスーパーポジティブなしろすけに対し、フクゾウの激烈なツッコミが入るシーンは読んでいて痛快です。ぜひこの機会に手に取ってご覧ください。
(図書担当 原田佳織)