2022年11月07日
(415)元猟師が主役の『マタギガンナー』 eスポーツでの活躍描く
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第415回
『西日本新聞』北九州版 2022年11月6日(日)朝刊 14面掲載
元猟師が主役の『マタギガンナー』
eスポーツでの活躍描く
近年、盛り上がりを見せているのは、対戦型コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」。今回はこのeスポーツを題材にした作品をご紹介します。
週刊誌『モーニング』(講談社)で連載中の『マタギガンナー』(作画 フアン・アルバラン、原作 藤本正二)は秋田に住む老練の元マタギ(猟師)が、参加者同士が銃などで戦う「FPS」というジャンルのゲームで活躍する物語です。
妻に先立たれ、マタギも引退し、ぼんやりと日々を過ごす老人、山野仁成はある日、不法投棄されていたゲーム機を発見。挿入されていたのはFPSゲームでした。初めは名前の入力やゲームの操作に戸惑っていた山野でしたが、約2年後には「凄腕スナイパー」と言われるまでに成長を遂げ…。
作画を担当するフアン・アルバラン先生はスペイン出身。2013年よりアメリカのDCコミックス社でスーパーマンやバットマンの活躍を作画スタッフとして描いてきました。実は北九州市と縁が深く、2018年に実施された海外漫画クリエイターの創作支援プログラム「北九州コミック・アーティスト・イン・レジデンス」で市内に2週間滞在し、創作活動をされました。
マタギとeスポーツは異色な組み合わせですが、伝統を重んじ狩猟を続けてきたマタギの経験が、ゲームで敵と戦う姿勢にうまく落とし込まれています。自然豊かな秋田をゆったりと描く一方で、ゲーム内は一瞬の隙で勝敗が決まるスピード感あふれる展開!その臨場感にグッと引き込まれる作品です。
ゲームをやりこむ山野の前には、世界で活躍するプロゲーマーたちが立ちはだかります。果たして山野はマタギの経験を活かし勝利していくことはできるのか。これからの展開に目が離せません!
(図書担当 原田佳織)
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