2023年04月17日
(436)谷口ジローにまつわる講演 翻訳や作品化の裏側紹介
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第436回
『西日本新聞』北九州版 2023年4月16日(日)朝刊 24面掲載
谷口ジローにまつわる講演 翻訳や作品化の裏側紹介
北九州市漫画ミュージアムでは、緻密な作画と巧みな構成で知られ、海外でも評価の高い漫画家・谷口ジロー(1947~2017年)の展覧会を開催しています。
今月29日(土)には、福岡県在住の漫画家・イラストレーターであるヴァンサン・ルフランソワさんによる「レクチャー&ギャラリーツアー」を催します。夏目漱石や森鷗外といった文豪が多数登場し、深い余韻が残る「『坊っちゃん』の時代」(共作:関川夏央)を始め、谷口作品がフランスで出版されるにあたりページ構成の面から出版社に協力してきました。
縦書きの日本語のセリフを横書きのフランス語に置き換えた時、どんな工夫が翻訳物として必要だろうか?例えば吹き出しのサイズはそのままでよいのだろうか?右から読むスタイルの日本漫画が、フランスの読者にとって一般的な、左から読み進めることのできるページになるまでの思わぬ苦労と面白さなど、ルフランソワさんが分担した作業を谷口作品の魅力も交え語ります。
さらに5月13日(土)は展覧会の締めくくりとして、谷口ジローが漫画化を手がけた「餓狼伝」「神々の山嶺」の原作者である、小説家・夢枕獏さんの講演会を開催いたします(参加募集は既に終了しています)。夢枕さんの起伏に富んだ魅力的な作品について、ありし日の谷口との仕事、思い出など、ゆったりと語って頂く予定です。
谷口ジローは描くことが何より好きで最晩年まで描き続けた人でした。彼の残した作品の数々を展示室でぜひご覧頂ければと思います。
(学芸研究員・柴田沙良)
=MEMO=
4/29(土)のみ若干残席あり イベント詳細はこちら