北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2023年11月13日
(465)「ウェブトゥーン」の祭典 釜山開催 日本から6作家

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第465回

『西日本新聞』北九州版 2023年11月12日(日)朝刊 24面掲載

「ウェブトゥーン」の祭典
釜山開催 日本から6作家

 北九州市漫画ミュージアムは2018年に韓国の財団法人「釜山情報産業振興院」と相互協力協定を結び、同法人が運営する「釜山グローバルウェブトゥーンセンター」と交流を重ねてきました。毎年秋に開催される「釜山ウェブトゥーンフェスティバル」への参加もその一つです。

 今年は10月26日から29日まで開催され、日本からは6人の作家が招待されました。日韓の若手漫画家が北九州を舞台に漫画を描く共同執筆事業に参加した、鳥羽田航さん、戸本智さん、ノノモリさん。釜山のナムジョンフンさんの原作で漫画を執筆中のタネオマコトさん。同人誌即売会「九州コミティア」の代表も務める、ひのもとめぐるさん。そして当館館長・田中時彦です。海外作家を釜山に招いての対面交流は4年ぶりで、大いに盛り上がりました。

 会場では作品展も開催されましたが、ほとんどがパソコンなどでデジタル作画されるウェブトゥーンは、額装された肉筆原稿が並ぶ「原画展」と展示手法が大きく異なります。大きく引き伸ばした絵で壁を覆い、世界観や絵柄の魅力を前面に出しているので、順路をたどっていくと、作品ごとに空気が次々に変わってワクワクします。釜山の街角にたたずむ恋人たちのイラストを液晶画面で展示し、BGMにロマンチックな歌を流すコーナーも印象的でした。

 イベントも盛りだくさんで、日本作家はトークに出演したほか、ひのもとめぐるさんによる作画実演も大いに注目を集めました。日本漫画の特徴を際立たせるため黒一色で仕上げ、瞳の大きさも強調したとか。ペンの力で言葉を超える交流を、今後も続けて参ります。

(学芸担当係長 表智之)

=LINK=
「釜山ウェブトゥーンフェスティバル」公式サイト ※韓国語