2023年12月21日
(466)台湾漫画家が滞在、創作活動 北九州の街、どう描く?
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第466回
『西日本新聞』北九州版 2023年11月19日(日)朝刊 22面掲載
台湾漫画家が滞在、創作活動
北九州の街、どう描く?
さまざまなジャンルのアーティストが、ある地域に一定期間滞在し、そこで得たインスピレーションを基に創作活動を行う「アーティスト イン レジデンス」。北九州市では、漫画を通じた相互の文化発信、国際交流を目的に、2018年から海外の漫画家を対象に実施しています。
これまでに、米国・スペイン・台湾から6名の作家が参加。そして今年も、台湾から2人の若手漫画家をお招きしています。今月6日から12月4日まで北九州に滞在するのは、ゲームグラフィック制作に携わった経験を活かし、イラストからストーリー漫画、エッセー漫画まで手がける硝子(しょうこ)さんと、アマチュアのボーイズラブ作家として活動を続け、ついにプロ漫画家へ華麗なる転身を遂げたMN(エムエヌ)さん。おふたりともデジタルネーティブ世代で、デジタル作画ならではの鮮やかで洗練された色彩が持ち味です。
作家たちは、市内の名所を巡り、さまざまなイベントや施設で市民や地元の漫画家たちと交流し、その体験を基に北九州にまつわる作品を制作します。外国人から見た北九州はどんな街なのか。漫画家目線で魅力的なポイントはどこなのか。彼らの作品からは私たちが気付かない「北九州の姿」が見えてくるはず。完成が待ち遠しいですね。
さて、北九州市漫画ミュージアムでは滞在に合わせ、参加作家や取り組みについて紹介するミニ展示を開催しています。なお、お二人は25、26日に開催される「北九州ポップカルチャーフェスティバル(KPF)2023」でもライブドローイングを実施予定。ぜひお越しください。
(学芸員 石井茜)