北九州漫画ミュージアム

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2025年4月19日〜2025年6月1日
児童まんがの名匠 太田じろうの世界

あの頃がなつかしい 今見てもかわいい
児童まんがの名匠 太田じろうの世界

2025年4月19日(土)~6月1日(日)

戦後、幼年誌や学年誌といった児童向けの雑誌では、子どもたちの人気に後押しされる形で、次第にまんがが数多く掲載されるようになりました。教育的かつ良心的な作風が基本となる児童まんがの世界において、太田じろうは動物たちを可愛らしく擬人化した「こりすのぽっこ(のちに「こりすのぽっこちゃん」に改題)」で一世を風靡します。街の人々の仕事をお手伝いしたり、友達と仲良く遊んだり、ぽっこちゃんのはつらつとした毎日を柔らかな色彩で描いた本作は、現代の大人が見ても心癒される名作です。
太田じろうを一言で表すならば「とてつもなく絵のうまい作家」。キュートな魅力を持つキャラクターや、優しくユーモアあふれる物語を支えるのは、圧倒的な画力です。確かなデッサン力に裏付けられた的確で巧みなデフォルメ、説得力のある背景、立体的な構図など、見れば見るほどその表現力に気付かされます。本展では、可愛らしく、そしてただ可愛いだけではない太田じろうの世界を、近年発見された原画からご紹介します。

「こりすのぽっこちゃん せんちょうさんのまき」(『こばと幼稚園』集英社、1962年8月)

「ちんらいちゃん」(大日本雄弁会講談社、1956年)

『リイドコミック』表紙(1978年8月7日号)

キュートなグッズ多数販売予定!「ぽっこちゃんデパート」▼
会期中、太田じろうの可愛らしいキャラクターをふんだんにあしらったグッズや、復刻版書籍などを常設展エントランスのミュージアムショップで販売します。

太田じろう(おおた・じろう)プロフィール▼
1923年、東京都生まれ。本名太田二郎。早稲田実業学校卒業後、映画看板描き、出版社、映画会社勤務などを経験。その後、マンガ家・絵本作家として幼年誌や学年誌、少年誌を中心に活躍する。
中でも、58年から『こばと』および『こばと幼稚園』(集英社)で連載された「こりすのぽっこ」(のちに「こりすのぽっこちゃん」に改題)は人気を博し、本作を原作とする人形劇がテレビで放映された。その他の代表作に、「お山のくろちゃん」、「がんばれガン太」、「こぶたのぶうちゃん」など。戦前から活躍し、児童まんが界を牽引したマンガ家として著名な島田啓三は義父である。後年には「西郷隆盛」や「福沢諭吉」など、偉人の伝記マンガを執筆した。
60年、第5回小学館漫画賞受賞。82年、59歳という若さで逝去。

太田じろうについてもっと知りたい方はこちらへ➡
外部サイト:「太田じろうの世界」

開催概要▼
■会 期 2025年4月19日(土)~6月1日(日)
■休館日 毎週火曜日(ただし4月29日、5月6日は開館し、その翌日が休館となる)
■会 場 常設展示エリア「あしたのギャラリー」
■観覧料 常設展観覧チケットまたは年間パスポートでご覧いただけます

◆協 力 株式会社ダンク